小さな舟は風に吹かれて 2

本番の十日前に、リハーサルのために一度上京した。


リハーサル前夜は友人と旧交を温め、翌朝はおいしい朝食バイキングで独りごと。23,24,25・・・
食材の数をかぞえるのは楽しい。


留守宅をまかせられる友人のおかげで、家業で年中張り詰めている神経を休められる。
「神さま、ありがとう。ほっこりしてます」


午後のリハーサルまでの時間に、東京で掛かっている耳鼻科へ向かう。
手術着のまま臨時の診察をしてくださる先生は、わたしが贈ったCDを聴いてくださっていて、ご感想をいただく。
本番前は少しの不調にも過敏になるが、やさしくお話しながら診察してくださる先生はわたしにとっての“安定剤”。
そんなわたしの弱さは充分わかっていてくださるので、とてもとてもありがたい。
「ダイジョウブ、ダイジョウブ」という“気”で満たしてくださる。


この先生をご紹介くださった別の先生がおられて、またその先生を紹介されたご縁があって・・・
“よいご縁”は“よいご縁”を招き、どんどんつながっていく。真珠の首飾りに例えると、糸は神さまご自身。

神の国”を飾るためなら、神さまはどこまでも美しい真珠を繋いでくださると信じている。
見事に繋がったら、マリアさまに捧げたい。