冬なのに・・・


冬なのにあたたかいもの・・・それは井戸水。
冬なのにあたたかいもの・・・地中の土。

   
   手先が千切れそうな冷たさの中で、白菜や大根を洗う。
   食卓にいのちを運ぶためには、ちょっとした覚悟の連続だ。
   ゴム長の底からも冷えてくるようだ。頬や耳もかじかんでくる。


   でも、井戸水にふれると驚いてしまう。 え?
   はじめは冷たくても、流し出しているうちに温かい水になってくる。

   
   「土の中に手を入れてごらんなさい」人生の先輩がそっと教えてくれる。
   春に備えて畝の草を採りながら、土の中に手をもぐらせてみると・・・
   温かい。人肌のようなやわらかな感じが眠気もさそう。

  
   天地の創造主は、創った人間を助け、憩わせ、養うために
   身近にすてきなものを備えてくださっていたのだ。



冬なのにあたたかいもの・・・人の心。
冬なのにあたたかいもの・・・神のみ心。