新年会 Ⅱ 〜天国でも〜


登山を終えた教会のメンバーと仕事帰りの青年たちがわが家に集い、新年会が始まった。
こんな時、窓辺の遺影が微笑んでいるように感じる。
亡き父はわが家に人が集うことをとても好んでいて、在宅療養中もわたしに友だちを招くように勧めてくれた。
当日、「ぼくは“明石の間”(単に西の部屋)に引っ込んでいるから、みなで楽しんで」と我がことのように喜んでいた。


先日、父の友人であるSさんが95歳でこの世を旅立たれた。父が立ち上げた地域の野球部でともに楽しんだお仲間のひとりだ。
Sさんは父が帰天したとき、「わたしが先に行くべきだったのに・・・」と嘆いてくださった。
ふたりとも与えられた命を生き生きと生き切り、周囲の人に「ありがとう!」というメッセージを残して旅立った。


今ごろ、S氏と父は天国でにぎやかに新年会をしているにちがいない。
「やっと来てくれた!遅かったやないの」「あなたが早すぎたんだ」「娘さんに会ったよ♪」などと語りながら・・・
いつかわたしたちも次々に旅立って、終わることのない宴で楽しめるのだ。
そのためにも、天上に宝を積みながら、日常をすごしたい。