エリヤのすごろく

 本格的な暑さに突入するこの季節、わたしに力と希望に奮い立たせてくれるのが預言者聖エリヤだ。
毎年7月20日のエリヤの祭日になると、ずっと昔、友と描いた「エリヤのすごろく」を思い出す。
今は人の手に渡ったが、手製の大型すごろくはいつも心に生き生きと甦る。
列王記上17章から登場し、列王記下2章で昇天するまで、神の御前に目覚めて駆け抜けた聖エリヤ。大きな模造紙二枚を張り合わせ、その上に這いつくばりながら彼のドラマティックな生涯を描いた。
 
 ケリト(愛)の川のほとりで烏に養われるエリヤから始まり、サレプタのやもめの息子に身を重ねてよみがえりを祈るエリヤ、剣で体を傷つけながら祈り狂う場あるの預言者たち、捧げものの雄牛と薪に水を注ぎかけるエリヤ、アハブの車を追い越して裾をからげて走り行くエリヤ、イザベルを恐れて逃げるエリヤ、力尽きて弱音を吐くエリヤ、エリシャとのやり取り。そして、模造紙の真ん中に描いた「ゴール!」は火の車に乗って天に昇るエリヤだ。
 
 イエスさまご自身の口からもその名が上った(マタイ11/14,17/11)エリヤという預言者は、新約時代に生きるわたしたちにとっても魅力ある信仰のお手本だ。その弱さと活力、静けさと激しさといったコントラストを背景に、彼の心はいつも「わたしは生ける神の御前に立っています!」と“神の現存”に目覚めている。

   
      この夏も聖エリヤのように、暑さに助けられて奮発心に燃える日は、神さまのまなざしの下でハッスルし、
                      暑さに負けて心身共に伸びてしまう日も、神さまのまなざしの下で弱音を吐きたい