「恋しい人の声が聞こえます」(雅歌)

「恋人よ、美しいひとよ さあ、立って出ておいで。
 ごらん、冬は去り、雨の季節は終わった。
 花は地に咲きいで、小鳥の歌うときが来た。
 この里にも山鳩の声が聞こえる。
 いちじくの実は熟し、ぶどうの花は香る。
 恋人よ、美しいひと
 さあ、立って出ておいで。
 岩の裂け目、崖の穴にひそむわたしの鳩よ
 姿を見せ、声を聞かせておくれ。
 お前の声は快く、お前の姿は愛らしい。」
   雅歌2章

 
 毎年12月21日のミサではこの箇所が読まれる。
 
 わたしたちが罪人としてドロドロのままであるのに、神の救いは「若い雄鹿」のような躍動感をもって迫ってくる。
 わたしたちが罪人としてドロドロのままであるのに、花婿キリストはわたしたちを“恋人”“愛らしい姿”と言ってくださる。

 喜びと戸惑いに包まれながら、このシクラメンのようにこうべを垂れて花婿をお迎えしたい。