あわじ遊覧 ♪


厳冬の深夜、露天風呂に入ることができました。
遥か彼方には和歌山の山並み。幸い、一緒に浸かっていた母娘らしい女性たちも黙っていてくださったので、充分に孤独を味わえました。
打ち寄せる波音だけが耳を撫で、わたしの上には屋根もなく、大きな夜空が広がるだけ。






「祈り」とか「黙想」という言葉で表現できない、何とも言えない響きに包まれました。勝負のとき、死を迎えるときには、優しい家族や仲間の存在の有無に関わらず、まったく空の手で、愛に燃える神のみ前に立つのだ・・・
そんなことを想いながら深呼吸を繰り返しました。

大自然のなかで何も持たずに座る体験は、真にしあわせなことだとしみじみ味わいました。合掌。






「あのかたは また、あけぼのが
 たちそめるころの静かな夜
 沈黙のしらべ
 ひびきわたる孤独
 愛に酔わす、たのしい夕餉」
   
 十字架の聖ヨハネ『霊の賛歌』より