神の手
「あら!まぁ・・・あなたどうしたっていうの?ここまで・・・!」
後ろからそっとわたしの肩に手をおいたご婦人が驚きの声をあげた。
彼女はたくさんの人にマッサージを施し、癒すボランティアをされている。
長年可愛がってくださる彼女とのやさしい会話の流れで、そっと手がのびてきたのだ。
肩こりを感じにくい性質のわたしは、すでに“ある線”を超えていたようだ。
じいじの介護からその後の引き継ぎまで、とてもスリリングでハードな贈り物を
わたしにくださった神さま。
その神さまが、夢中で課題をこなすわたしに手を伸べられた。
「あなたの知恵は計りがたい!アレルヤ〜♪」
彼女がその場でしばらく、心をこめてマッサージをしてくださったおかげで、
わたしの肩には血が流れだし、背中が温かくなり、心地よい眠気が押し寄せてきた。
「おつかれさま! よくついてきたね。 またいっしょに歩こうね!」
イエスさまが大きな手を、背中にそっとあててくださったような気がする。