逆立ち
ついに両方の鼻の穴がふさがれた。息が入らず、また出ないということは「死」の状態だ。
ゴールデン・ウィークの冒頭で二つの難題が解決し、全身の緊張が緩み、
そこへ友だちから風邪菌をもらったみたい。
階下にかかりつけの医院があるのに数日間は飛び込めない。
かと言って、適当に市販の薬を飲むのはイヤ!
でも、歌の録音を控えている者にとってのどの腫れは恐怖感をかりたてる。
今朝、祈りの中で問うてみた。「今、わたしはどうすべきか?」
しばらくすると静かな「促し」が感じ取れたので、身をゆだねることにした。
今朝もサボるつもりだったヨガをゆっくりゆっくり・・・・
風邪菌が興奮しないよう静かに・・・・
体温が上がらないようにゆっくりゆっくり・・・・
陰ヨガのように静かにキープ・・・・
そして「促し」はわたしをシルシァーサナ(ヘッドスタンド)とサルヴァンガアーサナ(肩立ち)という
不思議な集中力でいつもより長く安定して、特にどこにも負荷がかかっていないかのように楽だ。
静かに足を下ろし、呼吸を整え、二、三のアーサナのあと座ってみた。
なんと、両方の鼻にさわやかな風が行き来している!
薬、注射・・・現代文明の中で「便利」「快適」に慣れ切ってしまっているわたし。
自分の奥底に響くメッセージを聴くことなく、表面的にすばやく「快適」にもっていこうとする傲慢さ。
リスクも考えず、化学物質を容易に摂取する愚かさ。
逆さまにする必要があったのは「からだ」だけでなく、「こころ」もそうだったのだ。