カルメルの山の聖母の祭日


 今日7/16はカルメル山の聖母の祭日である。4年前の巡礼旅行でイスラエルのカルメル山を訪れ、修道院の聖堂でミサに与った。

 『カルメル山登攀』のイメージから険しいイメージを抱きがちなカルメル山だが、実はなだらかな丘のような形状で、季節によっては色とりどりの花が咲き乱れるそうだ。
12世紀頃、ナザレを臨むこの穏やかな山には“エリヤの泉”と呼ばれるところがあり、その近くに隠遁者たちが住んでいた。当時、彼らはマリアさまを“聖母”とは呼ばず、“姉妹マリア”と呼んでいたそうだ。
十字軍で聖地に向かう人たちの中からも、彼らの生活に魅かれて故郷へは帰らずに留まった人たちがいた。すべてを棄てて孤独と沈黙の生活に入り、「姉妹マリア」と親しみをこめて慕う隠遁者たちを聖母はどれほど慈しんだことであろう。


 長い歴史を経た今も、たくさんの人がそれぞれの召された場で心の洞穴に引き退き、教会と人類への奉仕のために枯れることのない泉から愛を汲み続けている。そして、彼らとともにおられる聖母の慈しみとご保護も、世の終わりまで続く。

  
「孤独と沈黙の中で、人はその清いまなざしで天の花婿を傷つけるあの目、その清さによって神を見ることを可能にするあの目をかち得るように努力する。そこでは、よく充実した閑暇に身を委ね、おだやかな活動の中に不動になる。
 そこで神はご自分の闘士たちに、その戦いの労苦の報いとして、望みの賞、すなわち世の知らない平和と聖霊の喜びを与えられる。」
    Venite Seorsum より