魅力あふれる女性 〜アビラの聖テレサ〜


アビラの聖テレサについての証言
   「彼女は中背で、わりに肉付きがよく、よくととのった容姿の持ち主であった。
    毛髪は黒く、手はきわめて美しかった。顔の形は非常に美しく、つり合いがとれていて、ゆりのように白かった。
    神のことを語るときは燃えるようで、人の心を魅了する美しさを帯びて、名状しがたい清らかさと、
    天的平和をただよわせていた。そのほほえみはきわめて愛らしく、態度は上品で、声はゆとりのあるやさしさがあり、すべてが
    非のうちどころがないように見えた。彼女と話すだけで、敬い愛さずにはいられなかった。」
 『イエズスの聖テレジア自叙伝』の序文より


神さまは教会を改革するために、自然的にも超自然的にも恵まれたひとりの女性を選ばれた。
16世紀のスペインは、女性が学問をすることが許されなかった時代。
聖女は聖テレーズのように祈りの中で神の知識を得て、シエナの聖カタリナとともに教会博士に挙げられた。
神秘神学の権威者、神秘的祈りによる正統信仰の擁護者、カルメル会の改革者、スペインの保護者。
内外からの誹謗中傷、貧しさ、病弱・・・人一倍多く与えられた試練も、
神さまとの深く、ときにユーモアにあふれた交わりによって過越したさいわいな人である。
また、自分がどれほど恵まれているかも知っていて、それを神の国のために生かした、とてもチャーミングな女性でもあった。